平成28(2016)年12月18日(日)、甲子園球場にて行われました第71回甲子園ボウル(全日本大学アメリカンフットボール選手権 決勝戦) 2016 関西学院大学(西日本代表) x 早稲田大学(東日本代表)の試合レポです。
前半終了、関西学院大学 21-7 早稲田大学
関西学院大学優勢の前半となりましたが、前年のような早稲田大学の後半アジャスト、追い上げに期待です。
<第3Q>
関西学院の1番K西岡慎太朗選手(4回生)のキックオフで後半開始。
早稲田、17番Retブレナン翼選手(1年生)がキックオフリターンし、自陣23ヤード付近より。
2ndダウン4、6番RB北條淳士選手(4回生)のランで1stダウン更新。自陣37ヤード付近へ。
写真↑、仮にこれだけの大穴が一瞬開いてしまったとしても、すぐ閉じてロングゲインさせない関西学院ディフェンスは流石ですね
2ndダウン、28番RB須貝和弘選手(4年生)の中央ランでナイスゲインし、1stダウン更新。敵陣43ヤード付近へ。
さらに、6番RB北條選手、12番QB笹木選手雄太選手(4年生)→17番WRブレナン選手のパス成功で1stダウン更新×2。敵陣19ヤード付近へ。
3rdダウン4、36番RB山崎龍哉選手(3年生)へのパス成功で1stダウン更新。
ついに敵陣9ヤード付近へ!
しかし、関西学院の37番DB小池直崇選手(4回生)のカットなどもあり、パス失敗×3でタッチダウンに至らず。
2タッチダウン差を追う早稲田大学、ここはフィールドゴールではなくギャンブルを選択し、タッチダウンを狙います!
早稲田、4thダウン9ゴール、ピッチを受けた1番QB坂梨陽木選手(3年生)から…、
87番TE田島広大選手(3年生)へのタッチダウンパス成功!
前年の甲子園ボウルでの、驚異のアジャスト、追い上げを彷彿とさせる7分弱のタッチダウンドライブでした
20番K長谷川絢也選手(1年生)のPATキックも成功。
ホルダーは、QBでもある1番坂梨選手。
3Q残り8:08 関西学院大学 21-14 早稲田大学
早稲田大学、後半1stシリーズで1タッチダウン差まで追いつきます
早稲田、キックオフ。
関西学院、28番R高松祥生選手(3回生)のリターンで、自陣25ヤード付近より。
2ndダウン7、早稲田の7番LB加藤樹選手(4年生)のQBサックで約9ヤードの大幅ロス!
3rdダウン16、ランも早稲田の47番LB梶浦嵩之選手(4年生)のタックルであまりゲインなく、1番P西岡選手がパント。
早稲田、自陣39ヤード付近より。
フォルススタートでの罰退後、パス投げ捨てが続き、1stダウン更新できず。
4thダウン15、3番の選手(安部選手?)がパント。
関西学院、自陣36ヤード付近より。
40番RB橋本誠司選手(4回生)のランでゲインし、2ndダウン1、33番RB野々垣亮佑選手(4回生)のランで1stダウン更新。敵陣44ヤード付近へ。
3rdダウン7、またしても早稲田の7番LB加藤選手のQBサックでロス!
写真↑、7番LB加藤選手、もしかして右手のケガをおしての出場だったのでしょうか…(>_<)
1stダウン更新できずも、QBでもある6番伊豆充浩選手(4回生)がナイスパント!
早稲田、自陣4ヤード付近より。
1stダウン更新できず、4thダウン7、苦しい位置からのパントを迫られます…。
関西学院、敵陣45ヤード付近より。
1stダウン、33番RB野々垣亮佑選手(4回生)のランで1stダウン更新。敵陣35ヤード付近へ。
早稲田の交代違反の反則で、1stダウン5に。
ここで第3Q終了、関西学院大学 21-14 早稲田大学
<第4Q>
関西学院、敵陣30ヤード付近、1stダウン5から。
6番QB伊豆選手→88番WR亀山暉選手(3回生)のパス成功、40番RB橋本誠司選手(4回生)の中央ランで1stダウン更新×2。ゴール前7ヤード付近へ。
しかし、タッチダウンには至らず、4thダウン4ゴールに。
ここで関西学院、ゴールポスト近くの角度のあるフィールドゴールトライを嫌い、わざと時間を流してディレイオブザゲームでの罰退を狙いますが、この反則を早稲田が即座にディクライン。
そう、アメフトには反則された側が、相手の反則をなかったものにする(拒否する=ディクラインする)権利があります。
関西学院は、ちょいちょいこのようなわざとディレイをするのですが、昔、神戸大学がこれをディクラインしていて「えっ、ディレイオブザゲームって、ディクラインできるんだ」と知りました。(両校らしいエピソードです、笑。)
わざとディレイをディクラインされたものの、関西学院、1番K西岡選手の21ヤードフィールドゴール成功!
スナッパーは67番鈴木邦友選手(2回生)、ホルダーは主務でもある38番石井宏典選手(4回生)。
キッカー、ホルダー、スナッパーは3人1組なので、いつも3人とも御紹介したいのは山々なのですが、いつもの横方向からの観戦だとスナッパーが埋もれて見えずで、普段はキッカーとホルダーの御紹介のみになってしまっています。スイマセン
試合残り11:12 関西学院大学 24-14 早稲田大学
関西学院、1番K西岡選手がキックオフ。
早稲田、85番Ret鈴木隆貴選手(4年生)がキックオフリターンし、自陣29ヤード付近より。
関西学院の3番DB小椋拓海選手(3回生)のロスタックルがあったものの、
12番QB笹木選手から…、
36番RB山崎選手へのパス成功で1stダウン更新。フィールド中央付近へ。
イリーガルシフトの反則で罰退し、
関西学院の91番DL三笠大輔選手(2回生)のQBサックでさらに約8ヤードの大幅ロス!
朝日新聞デジタル版(リンク先の記事は途中から有料です)でも取り上げられたDL三笠選手、追手門学院高校時代に「背が高くて、早いDLだなぁ」と思っていましたが、2回生にして強豪・関西学院でスタメンとはすごいですね
184cm・102kgと、高校時代より重量感も増したにも関わらず、そのスピードは健在です。
2ndダウン23、関西学院の44番LB松本和樹選手(3回生)のラッシュ厳しくスクランブルも、あまりゲインなし。
関西学院3回生の44番LB松本和樹選手も、今シーズン、スタメンに定着した選手ですね。
3rdダウン23、ロングパスを狙うも、今度は関西学院大学の37番DB小池選手がインターセプト!
このシリーズ、関西学院ディフェンスがその強さを見せつけ、攻守交代です
試合残り7分強
関西学院、敵陣46ヤード付近より。
このシリーズから、QBがエース6番伊豆選手と8番中根弘人選手(4回生)との併用となりました。
40番RB橋本選手のラン、22番RB加藤選手へのショベルパス成功で1stダウン更新×2。敵陣20ヤード付近へ。
続く3rdダウン2、早稲田タイムアウト後半1回目。
試合残り4:04
関西学院、3rdダウン2、40番RB橋本選手のダイブ×2で1stダウン更新。敵陣7ヤード付近へ。
早稲田の38番DB洲戸健吾選手(4年生)のQBサック(写真↑)で5ヤードロスし、早稲田の6番LB加藤樹選手のQBサックでさらに4ヤードロス!
早稲田タイムアウト後半2回目。
試合残り2:11
関西学院、3rdダウン19まで後退しましたが、33番RB野々垣選手のランで…、
このオフェンスチーム会心のタッチダウンに、普段は派手なセレブレーションは見せない関西学院の選手たちも、タッチダウンした33番RB野々垣選手に笑顔で駆け寄ります
1番K西岡選手のPATキックも成功。
4Q残り2:04 関西学院大学 31-14 早稲田大学
関西学院大学、1番K西岡選手がキックオフ。
早稲田、17番Retブレナン選手がキックオフリターンし、自陣22ヤード付近より。
3rdダウン10、12番QB笹木選手→85番WR鈴木隆貴選手のロングパス成功!
(実況ツイートでは、違う選手がレシーブと書いてしまい、失礼いたしました…)
1stダウン更新し、自陣46ヤード付近へ。
しかし、続く2ndダウン、関西学院大学の3番DB小椋選手がインターセプト(>_<)!
関西学院大学のDB小椋選手は、2年前の1回生の時の甲子園ボウルでもインターセプトしていましたね
早稲田大学の最後の望みを打ち砕く攻守交代となりました…。
試合残り1:04
関西学院、スカウティングチーム(控え選手)と思われる選手を含めた4回生選手でかためてニーダウンで時間を消費しようとしますが、早稲田大学が反則ディクラインや最後のタイムアウト取得などにより最後の抵抗を見せ、時間を消費しきれず、4thダウンに。
ランで時計を進め、時間いっぱいで後半1回目のタイムアウト取得。
試合残り0:11
関西学院、4thダウン、1番P西岡選手がパント。
早稲田、パントリターンし、自陣30ヤード付近から。
試合残り0:03
早稲田の最後のロングパスは不成功となり、タイムアップ。
試合終了 関西学院大学 31-14 早稲田大学
関西学院大学の2年ぶりの優勝となり、学生王者に返り咲きました!
また、2007年以来、10年連続で関西もしくは西日本学生代表の勝利となりました。
<表彰式>
優勝した関西学院大学と準優勝となった早稲田大学の幹部へのトロフィー授与の後、個人賞の発表がありました。
甲子園ボウル最優秀選手は、関西学院大学の6番QB伊豆充浩選手(4回生)。
3回生時からエースQBの伊豆選手、的確なQBingだけでなく、自らのランプレイやスペシャルプレも警戒させるパントも効果的でした。
甲子園ボウル敢闘選手は、早稲田大学の7番LB加藤樹選手(4年生)。
強固な関西学院大学オフェンスのブロックを突破してのQBサックは、甲子園を沸かせてくれました。
チャックミルズ杯(年間最優秀選手賞)は、 関西学院大学の主将でもある47番LB山岸明生選手(4回生)。
皆様、おめでとうございます!
最後に、過去2回の甲子園ボウルレポでも書かせていただいたので、大変僭越ながら、今回も最後に私からの特別賞を。
私からの特別賞は、関西学院大学の37番DB小池直崇選手(4回生)です。
183cmと長身で、エースDBナンバー37番を背負い、2回生の時からSFとして関学ディフェンスの最後の砦を護ってきたDB小池選手。
敵チームファンとして、この学年で一番長期間に渡って、一番イヤだった、一番やられた感があるのがこのDB小池選手でした。(←とっても誉め言葉です。)
勝利した関西学院大学は、翌年1月3日、ライスボウル(アメリカンフットボール日本選手権)に出場しましたが、社会人王者である富士通フロンティアーズに13-30で敗戦しました。
日本アメフト界の盟主・関西学院大学が負けるとなると、毎度噴出するライスボウル見直し論ですが、2012年シーズンのQB畑選手(現・オービック)率いる関西学院大学や前年2015年シーズンの立命館大学が、あと一歩で外国人選手もいる社会人王者に勝てるところまでいったライスボウルを観てきた私には、学生王者が社会人王者に絶対的に勝てないとは思えませんし、学生王者が社会人王者に挑戦し「真の日本一チーム」になれるせっかくの権利は残しておいていただきたいなと私は思います。
おわり。