さて、先週末の11月3日4日に行われました全国高等学校アメリカンフットボール選手権大会2回戦の4試合の模様をちょこっとだけお届けします。
チーム名 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
箕面自由学園高等学校 | 7 | 13 | 0 | 0 | 20 |
関西学院高等部 | 0 | 0 | 7 | 0 | 7 |
なんといっても、この試合は箕面自由学園の選手たちの素晴らしいパフォーマンスに目を見張りました! 勝利なくしてクリスマスボウル出場がないのは両チーム同じ。とは言え並々ならぬ気合いでもってこの試合に挑んだ箕面自由学園はQB11糸川幹人(3年)選手のオプションやパスプレー、RB21元古耀介(3年)選手のラン、またどのポジションを任せてもビッグウェポンとなる10番RB/DB10山口翔(2年)選手らの華麗な活躍でタッチダウンを次々に獲得! リードしてからも果敢にオンサイドを狙うなど戦略的にも先手先手で関西学院高等部の動きを封じ、前半を大量20-0で折り返します!
箕面自由学園、QB11糸川幹人選手のキーププレー!
とにかく前半から爆発的な攻撃力を見せた箕面自由学園! 多彩なフォーメーションから繰り出されるオフェンスは何が出てくるか分からない面白さと破壊力があり、的の絞りにくいオフェンスに関西学院高等部ディフェンスはきりきりまい。さらに守ってはLB3海﨑琢(2年)選手、LB56浦野玄太(3年)キャプテンらが試合を締め、強豪関西学院高等部相手に終始優位に試合を進めることに成功! 様々な場面で感じられたこの試合に向けた周到な準備、そしてそれを可能にした選手たちの素晴らしい集中力と隙のないパフォーマンスに感服しました☆
関西学院高等部WR9河原林佑太(3年)のパスキャッチ!
一方このままでは終われない関西学院高等部。後半の追い上げに定評のある関西学院高等部は第3QにQB14日名壮太朗(3年)選手からWR9河原林選手への見事なロングパス成功で1本タッチダウンを返すなど反撃を開始! しかしこの日の関西学院高等部は敵陣まで攻め込みながらも無得点に終わるなど、前半かららしくない展開を強いられ、積極的に試合をコントロールしようとする箕面自由学園に思うように仕事をさせてもらえず。オフェンスではRB28池田唯人(2年)選手のナイスゲインやWR9河原林選手へのパス成功、ディフェンスではDL17トゥロター・ショーン(2年)選手やDL11吉田圭杜(3年)選手のロスタックルなどで食い下がるもこの後追加点を奪えなかった関西学院高等部。ここで無念の敗退となってしまいました。
この日王子スタジアムのメインスタンドから観戦していた私。試合後の速水翼キャプテンの「3年間応援ありがとうございました!」という言葉と選手たちの長い長いお辞儀を目の当たりにするとこれまでの様々な試合が思い出され、思わず胸がぎゅっとなりました。3年生の皆さん、お疲れさまでした。また大学の舞台でその活躍を楽しみにしています。
立命館宇治高等学校 | 28 | 14 | 7 | 17 | 66 |
崇徳高等学校 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
立命館宇治高校QB5庭山大空(2年)選手のパススロー!
第二試合は京都府1位の立命館宇治高校が前評判通りの強さを見せての快勝となりました。試合前、立宇治のハドルから聞こえてきた「相手がどこでも関係ない。自分らの力を見せるだけ!」という力強い言葉通り、全力で戦った立命館宇治高校の選手たち。オフェンスではQB5庭山大空(2年)選手→WR24西田健人(3年)選手へのタッチダウンパス、RB21平松的(3年)選手の独走タッチダウンなど。またディフェンスでもLB39横河豪士(3年)選手のインターセプトリターンタッチダウンと、登場したすべての選手らが期待された仕事をきっちりこなして次々と得点を量産。途中からは1年生の戦力を試す余裕を見せた立命館宇治高校が崇徳高校を大量得点で下し、関西ベスト4へと駒を進めました!
崇徳高校、QB10塚下伊生輝(3年)→WR24森川凌(3年)選手へのパス成功! 喜ぶ崇徳の選手たち。
一方、わずか12人の戦力で戦う崇徳高校は苦しい展開に。オフェンスでもディフェンスでも劣勢を強いられ厳しい状況の中で投じられたQB10塚下選手からWR24森川選手へのパスは本当に素晴らしいパスで、ファーストダウンを獲得し喜ぶ崇徳の選手たちの姿が嬉しかったです。立宇治との力の差は如何ともしがたく徐々にリードが広がる中でも懸命に最後までプレーを続けた崇徳高校の選手たち。両面出場で全力を出し切った選手たちに、両スタンドからあたたかい拍手が送られました。3年生のみなさんお疲れ様でした。またどこかのフィールドで活躍してくれることを期待しています。そして新入部員が入ってくれていますように(´;ω;`) 頑張ってくださいね。
11月4日のエキスポFFでの試合も大阪の強さが際立つ結果となりました。
関西大学第一高等学校 | 3 | 0 | 6 | 15 | 24 |
南山高等学校 | 7 | 7 | 0 | 0 | 14 |
進学校のため春シーズンで3年生が引退と聞いていた南山高校でしたが、ふたを開けてみるとエースQB9石田徹也選手を含む数名の3年生が残留! 頼もしい戦力が残った南山高校が関西大学第一高校を苦しめる大熱戦となりました!
第1Q、南山高校は自陣4YDからというドライブをQB9石田選手のランやRB23番竹内悠真(1年)選手らのナイスゲインでゴール前まで攻め込むと最後もQB9石田のタッチダウンラン! 南山高校が96YDタッチダウンドライブで先制します。さらに第2QにはQB9石田→WR28 永井勝久(2年)選手へタッチダウンパスを成功させ、南山高校が3-14と関西大学第一高校を11点リードして前半を折り返します。
南山高校、3年生QB9石田徹也選手のタッチダウンラン!
試合前「3年生がいないとさすがの南山も厳しいだろうなぁ」と思っていた私の目の前に3年生QB9石田徹也選手が登場した時には思わず「石田くんが出てる!」と叫んでしまうほどの驚きでしたが、春にも箕面自由相手に善戦した南山高校。さすがの強さを見せてくれました。
強力な関大一高ディフェンスを相手に1年生RB23番竹内悠真選手のランやQB9石田選手の見事なパフォーマンスで前述した96YDのタッチダウンドライブを含む2つのタッチダウンを獲得した南山高校。守ってはDL86澤田雄介(3年)選手のQBサックやLB49藤浦太雅(2年)選手らのナイスディフェンスで関西大学第一高校を封じ込め、前半のモメンタムを掌握。南山高校が11点をリードして折り返します。
一方、前半を1年生QB須田啓太(1年)選手に任せていた関西大学第一高校もさすがに危機を感じたか。エースQB7篠原呂偉人(3年)選手を投入! 関西大学第一高校が持ち前のアジャスト力を発揮してモメンタムを奪い返します。QB7篠原→WR14横山智明(2年)選手へのタッチダウンパスやQB7篠原選手のタッチダウンランなどで後半着実に得点を重ねた関西大学第一高校が逆転に成功! さらに守っては南山高校の前半の勢いを完全に抑え込み、関西大学第一高校が勝利を掴み取りました!
関西大学第一高校QB7篠原呂偉人(3年)選手!
前半なかなか得点できなかった関西大学第一高校ですが、後半エースQB7篠原選手が入ったことでがらりと空気が一変し、イケイケモードになったような気がしました(笑)。また一回戦の同志社国際高校戦でも感じたことですが、関西大学第一高校の後半のアジャスト力は素晴らしいですね! 前半リードされていても焦らず騒がず、後半逆転する力があると選手たちも自信を持ってプレーしているように思えました。QB7篠原選手のタッチダウンラン&WR81金山将龍(3年)選手へのパス成功で17-14と逆転すると、南山高校の反撃を抑えた後には14番横山智明(2年)選手がダメ押しのタッチダウンを獲得! 24-14と南山高校を突き放しました。この勝利により、関西大学第一高校が春に引き続いての関西ベスト4進出です!
敗れました南山高校ですが、3年生がチームのために戦っている姿を見られて本当に良かったです。本当は出場したいけれどもできない3年生らの気持ちを背負ってのプレーだったのかなと想像すると、その頑張りが報われて欲しいなと前半の勢いが続くことを願いましたが、残念ながら関西大学第一高校に一歩及ばず。無念の敗戦となりました。しかし春の試合を見た夫も感心していたチーム力の素晴らしさは健在。チーム全体の統率力やプレイコールの良さ、ベンチからの声出しも印象的で東海のチームのレベルの高さがうかがえた一戦となりました。
1年生2年生の活躍を見ても南山高校、今後もまだまだ強くなりそうですね。3年生の皆さんおつかれさまでした。また大学のフィールドでその活躍を見せてもらえることを楽しみにしています。
立命館守山高等学校 | 0 | 0 | 0 | 8 | 8 |
大阪産業大学附属高等学校 | 7 | 10 | 7 | 0 | 24 |
この日の第二試合、大産大附属高校×立命館守山高校の試合は終始大産大附属高校が優位に試合を進め快勝をおさめました!
大産大附属高校、DB6永井叡(3年)選手のインターセプト!
この試合特筆すべきは二人の1年生! 前の三田祥雲館戦でも素晴らしいパスオフェンスを披露したQB4桑原凛人選手と1年生RB18山嵜大央選手が前半戦を大暴れ。特にRB18山嵜選手はナイスゲインを連発し立命館守山ディフェンスを翻弄。RB18山嵜選手のランだけでタッチダウンを奪うという恐ろしいポテンシャルを見せつけました。さらにはQB7橋谷壮(2年)選手の堅実なオフェンスなどで終始試合をリードした大産大附属高校が立命館守山高校に快勝しました!
写真は攻守に活躍したRB/DB6永井叡(3年)選手のインターセプト! 1、2年生の活躍が目立つ大産大附属ですがもちろん要所要所はDL5小林陸キャプテンをはじめとする3年生がしっかりと締め、総合力の高さとチームの充実っぷりを感じました。しかしこれで関西ベスト4にまたもや大阪が3校です。大阪強いっ!!!
立命館守山高校WR22松島望(2年)選手のタッチダウンパスキャッチ!
一方、大産大附属の強力なディフェンスを前に途中まで無得点を強いられた立命館守山高校。思うようにプレーを進ませてもらえず、また得点が取れないと焦るばかりにミスが発生したりと悪循環に陥りそうなところを何とか踏みとどまったのは、ベンチやスタンドからの大きな声のおかげだったような気がします。ミスがあっても「大丈夫! 取り返そう!」とベンチからすかさず大きな声が飛び、また友人の活躍を応援しようと集まったスタンドからは最後の最後まで拍手が途切れず大きな声援が飛び続けました。
その声が力になったのか、第4Q残り4分半からQB11宇野瑛祐(2年)選手のパスオフェンスでじわりじわりと前進。WR81大野光貴(1年)選手やWR19堀江海里(2年)選手へのパス成功でゴール前まで迫ると最後はWR22松島望選手へのタッチダウンパス成功! WR88青山太一(2年)選手へのパスで2ポイントコンバージョンも成功させ一矢報いた立命館守山高校。この頑張りが必ず次に繋がると信じています。
前述したように、苦しい状況が続く中でも応援の声が途切れなかった立命館守山高校。選手たちがこれまで素晴らしい仲間と友人らに囲まれてフットボールができていたんだなと感じた感動的な光景でした。3年生の皆さんお疲れさまでした。この悔しさをばねにして、また次のステージで活躍してくれることを期待しています!
高校アメフト観戦を始めてから8年ほど。どのチームの試合も見続けているだけに3年生の引退がなんとも堪えます・・・・・・。みんなまた大学で活躍してくれるといいなぁ。
クリスマスボウル出場をかけた争いはいよいよ佳境に入ってまいりました。関西ベスト4へ勝ち進んだチームは大阪1位箕面自由学園高校、大阪2位大産大附属高校、大阪3位関西大学第一高校と京都府1位立命館宇治高校です!
いやー、春に引き続きベスト4に大阪が3校ですよ。春の関西大会でも大阪強いなーと感心しましたが、その流れは秋まで続いています。大阪の強さが際立つ2018シーズンですが、京都府1位の立命館宇治高校にもなんとか頑張ってほしい!
関西準決勝は今週末の予定です!
11月11日(日)@王子スタジアム
11:00~ 箕面自由学園高等学校(大阪1位) vs 関西大学第一高等学校(大阪3位)
13:30~ 大阪産業大学附属高等学校(大阪2位) vs 立命館宇治高等学校(京都1位)
第一試合は大阪大会準決勝の再戦ですね! 大阪1位の箕面自由学園高校対大阪3位の関西大学第一高校の対戦となりました。大阪大会では32-28とわずか4点差で勝負が決した両チーム。また箕面自由学園にはQB11糸川幹人選手、関西大学第一高校には昨年クリスマスボウルにも出場したQB7篠原呂偉人選手という頼もしいQBがおり、リーダーシップも完璧。お互い強力なオフェンスと堅実なディフェンスを持つ隙の無いチームだけにどちらの総合力が勝っているのか、ワクワクドキドキの対戦となりました。
大阪の強豪校同士のがっぷり4つの取り組みが楽しみな一戦です!
第二試合は大阪2位の大阪産業大学附属高校対京都1位の立命館宇治高校の対戦となりました。昨年度、関西決勝まで駒を進めながらクリスマスボウル出場を逃した立命館宇治高校。今年は何としてもクリスマスボウル出場を掴み取りたいところですが、その前に強豪大産大附属高校が立ちはだかります。大産大附属高校は2年生のQB7橋谷壮選手、1年生のQB4桑原凛人選手。立命館宇治高校は2年生のQB5庭山大空選手と若い選手がオフェンスを引っ張る両チームですが、それだけに両チームの3年生の活躍ぶりがカギとなってきそうですね。
これまでの練習の全てを出し切る総力戦、こちらも強豪校同士の素晴らしい熱戦が期待されます!
ここを越えればクリスマスボウルが見えてくる関西準決勝! お時間のある方は是非フィールドまで足を運び、選手らの熱い戦いをお楽しみください!
(終わり)