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Channel: アメフト観戦女子(関西)のブログ
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九州アメフトの歴史を変えた!西南学院大学アメリカンフットボール部(や)

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平成27(2015)年11月15日(日)午後、自宅にてUstreamでアメフト観戦をしつつ、Twitterで各地の試合の経過をチェックしつつ、一喜一憂、いつものように過ごしている私のTL(ツイッターのタイムライン)に、驚くべきニュースが飛び込んできました。

「西南学院大学が、名城大学に勝った…!」

西日本では関西学生リーグが最強、次に強いのは東海学生リーグ。その次は…??
…この構図は、今後も揺るぐことがないものと思い込んでいました。
ましてや、ここ数年、春に対戦している立命館大学のファン方から、「名城大学は、年々、強くなってるよ」と聞いていたので、関西学生リーグとそのお隣の東海学生リーズの差が縮まってきたのかなとは思っていましたが、まさかまさか、その東海学生リーグ優勝校を遠く九州学生リーグの優勝校が破るなんて…!!

私たちが運営しているアメフト観戦女子のTwitterアカウント(@amefootkansen)のフォロワーさんは、関西(近畿)のアメフトファンやフットボーラーの方が多数ですが、九州に御縁のある方もいらっしゃり、

「ついに、九州のアメフトの歴史を変えた!」
「俺らが、九州の歴史を変えたかったのに…」


というツイートをいくつも拝見しました。

アメフト観戦仲間の方にその話をすると
「それだけ強くなるということは、絶対何か理由がありますよ」

西南学院大学の悲願の打倒・東海(学生リーグ)は、驚き以上に、私にとって実は嬉しいことでもありました。
それは、私が試合を観てきた関西大学の元キッカーの方が、ヘッドコーチ(HC)をされているからなのです。
この歴史的勝利と西南学院大学アメフト部が強くなった理由を皆さんにお伝えしたく、SNSで繋がりがあったことをいいことに、西南学院大学アメフト部の吉野至HCにメールインタビューさせていただきました。

まずは、インタビューさせていただいた西南学院大学の吉野HCについての簡単な紹介です。
吉野HCは、関西大学第一高校→関西大学出身で、大学時代のポジションはK、3回生の時に甲子園ボウル制覇、4回生の時は立命館大学・関西学院大学とともに3校同時優勝を果たすも、プレイオフ最終戦で立命館大学に敗れ、2年続けての甲子園ボウル出場は叶いませんでした。
スコアリングキッカーを務めていた4回生の時は、40ヤード代後半でも決めてくるキッカーで、今でも「この年のベスト11(12?)に選ばれてほしかったなぁ」と思っています。
(ちなみに、この時に選ばれた関西学生ベストKは、甲南大学の仲野選手(現・エレコム神戸)でした。)
卒業後は、西宮ブルーインズでK/DBとして選手生活も続けていましたが、仕事の関係で福岡在住ということもあり、地元・西南学院大学のコーチに専念することとなりました。
24歳(!)の時にはHCとなり、現在27歳です。

それでは、インタビュー内容を紹介させていただきます。


仕事で福岡勤務になったことがきっかけだとは思いますが、福岡の大学のなかでも西南学院大学のコーチになったきっかけを教えてください。

2009年にライスボウルに出場した際、東京ドーム対策として、福岡ドームで合宿を実施したことがあります。
その際、ドームを使用出来ない日に西南学院大学のグラウンドにて練習をさせていただきました。
「九州にこんなに素晴らしい環境でアメフトをしているチームがあるなんて!」と驚きました。
その時に、「九州のアメフトはまだまだ伸びる!」と感じたことも、コーチをしている理由の一つです。


-うわぁぁあ!関西大学がライスボウルに出場した時、東京ドーム対策として、福岡合宿までされてたんですね!
就職して、その福岡に配属になるとは、何か縁があったのかもしれませんね。


「西南学院が強くなったのは何があるはず」といわれていますが、強化にむけて取り組んでこられたことがあれば、教えてください。

本気の集団になるため、明確な高い目標を定めました。
その目標に対して本気で努力し、成長進捗に合わせて練習内容を変化させました。
「勝ちたい」と強く思わせるため、あえて勝てない相手と試合をしたり、苦しいとも思える練習を繰り返しました。
また、アナライジングスタッフを新設し、分析力を強化しました。
また、ここ2年はOBの積極的な練習参加を促しており、とてもいい文化が出来つつあります。
毎週毎週来てくれるOB達にとても感謝してます。


-この春に、西南学院が、あの王者・関西学院大学とJV戦を組まれているのを見て、ちょっと驚いたんですが、こういう理由があったんですね。
西南学院大学と関西学院大学の御縁については、またこの後で…。


そのなかでも、吉野コーチが取り入れたことがあれば教えてください。

まずヘッドコーチ初年度に、チームの組織を全て一変し、短期的でない強さを作る組織作りを始めました。
高いレベルを知るために関東、関西へ遠征を実施。(昨年は早稲田、関大、今年は関学に遠征。)
フィジカルアップのための目標体重の設定と達成の徹底。
アメフトのファンダメンタルの確立を最優先し、小手先ではないフットボールを目指しました。
また、アメフトを好きになるためにアメフトを見る習慣をつくりました。


-吉野HCに御提供いただきました西日本新聞での記事に「体重目標を定め、それに達しない選手は試合に出場させない」と書いてありました。
そのことを観戦仲間の方に話すと「うわぁw、めっちゃ関西www」とのリアクションが。
関西では、特にラインの選手で、そのようなノルマを課している大学もあるようです。
「関西大学の選手は、秋シーズンになると春シーズンと体格がちゃう!」と、話題になった年もありました。
こうなると、関西アメフトとの御縁が気になりますね。


吉野HC以外に、関西の大学や有名大学出身の指導者はいますか?

オフェンスコーディネーターの小林亮が、関西大学(RB)出身で、私と同期です。
私以上にチームに貢献していると言っても過言では無いくらい、共に本気でコーチをしてくれています。
彼がいなければ、ここまで来ることはできなかったと思います。

以下ポジションコーチです。
OL:上野正義(関西大学出身)
WR:和田俊介・南本剛志(ともに関西学院大学出身)
DB:安倍敏晃(法政大学出身)
彼らがファンダメンタル向上にとても尽力してくれました。

また、昨年の春までディフェンスコーディネーターをしてくださっていた栗木コーチ(早稲田大学出身、現在早稲田大学コーチ)の力も大きいです。

-うわぁぁぁ、エレコム神戸の現役選手である和田選手や南本選手まで、なんと豪華なコーチ陣でしょう
ちなみに、和田選手と吉野HCは、一緒に西宮ブルーインズに所属していたことがありますね。
とはいえ、コーチ陣だけが豪華でも、選手がついてこれなければ意味がありません。
レディネスに合わせたコーチ陣の指導と、それにこたえる選手たちの努力に拍手ですね。


九州は関西ほどはアメフト文化がなく、学生も経験者が少ないと思いますが、それで苦労された点、逆にやりがいを感じる又はやりやすい点はありますか?

私がコーチに就任した5年前は、全てと言っていいほど、アメフトの常識が違いました。
また、経験者も0人のため、未経験の人間が4年間未経験の人間に教えられ、あまりうまくならずに卒業していく、という負のスパイラルが続いていました。
5年間かけて、ファンダメンタルの向上に取り組み、なんとかここまでたどり着けました。
選手達が新しいことを知り、そして、成長していく姿を見るのはとても嬉しいことです。


-関西学生リーグでは、特に強豪校でなくても、「経験者0人」ということは、まずありえないことですね…。


リクルーティング(新入生勧誘)で強化されている点、工夫されてることなどがあれば教えてください。

関西と違い、経験者が0人です。
大学に入ってくる生徒も、基本的には部活動をやる気はありません。
選手達の母校には訪問し、勧誘するようしておりますが、なかなか成果の出ていない状況です。
今は、リクルート強化のため、リクルート試合やフラッグフットボール大会を企画したりし、少しでもアメフトに触れていただくよう努めております。


-「大学に入ったらアメフトをしてみたい!」という九州の高校生が、西南学院大学を目指して受験してくれるようになれば、嬉しいですね~(^_^)


今週末11月29日(日)に、西日本代表決定戦で対戦することとなった立命館大学に何か思い入れがあれば、教えてください。

個人的な感情ですが、2009年の西日本代表決定戦(三校優勝でプレーオフ)の決勝時、4年生だったのですが、立命館大学に敗れ、引退をしました。
最後の瞬間を今でも覚えています。
今年の立命館は近年でも稀に見る強さだと感じています。
その立命館相手に感謝の気持ちを持って正々堂々戦い、今までお世話になった方々、観戦くださる方々に感動を与えられるような試合をしたいです。


-私もこのプレイオフ最終戦「立命館大学 x 関西大学」は、京セラドームで現地観戦しました。
立命館大学ファンながら、この年の関西大学は大好きで、立命館大学が勝って甲子園ボウル出場を決めて嬉しい反面、関西大学の試合がもう見れなくなるのをさみしく思ったのをを覚えています。
ちなみに、私の記憶が正しければ、このプレイオフの試合からrtvの関西学生アメフトのLIVE中継が始まったのではないかと思います。



最後に一言あれば、お願いいたします。

一番感謝しているのは、当時24歳の私を信じてチームを任せてくださった、監督、OBの方です。
初年度結果が出なかった時も、我々を信じて今まで、ご支援、ご声援をいただきました。
学生達、コーチ共々最高の経験をさせていただいていることに感謝の気持ちしかありません。

-とかく大事なポストは勝手の知った顔がきくチームOBでないととなりがちですが、OBではない関西出身の若い吉野コーチにチーム運営を託した監督やOB会の方も大英断でしたね。
そういうところも、チームが強くなれた要因だと感じました。

インタビューは、以上です。
吉野HC、お仕事にコーチ業にお忙しいところ、取材に御協力いただき、ありがとうございました!

皆さん御存じのとおり、11月22日(日)、関西学生Div.1 最終節では、立命館大学が2010年以来の5年ぶりに王者・関西学院大学を下し、関西学生リーグ優勝・西日本代表決定戦出場を決めました。

ついては、甲子園ボウル(全日本大学アメフト選手権大会決勝戦)出場権をかけた西日本代表校決定戦「立命館大学 x 西南学院大学」は、11月29日(日)14時から、王子スタジアムにて開催されます。

立命館大学ファンながら、九州の大学として歴史的勝利を挙げた西南学院大学の試合を、関西学生アメフトとの御縁を感じながら拝見させていただこうと思います。

おわり。

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