さて、いよいよクリスマスボウルまであと一つ! 11月23日王子スタジアムにて行われました全国高等学校アメリカンフットボール選手権大会決勝の試合をちょこっとお届けします。
関西地区決勝戦は大阪1位対京都1位の試合となりました!
チーム名 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
箕面自由学園高等学校 | 7 | 0 | 0 | 6 | 13 |
立命館宇治高等学校 | 7 | 6 | 3 | 2 | 18 |
大阪1位対京都1位の対決となったこの試合は最後まで勝負の行方が分からない大熱戦となりました!
どちらも勝てば久しぶりのクリスマスボウル出場とあって試合前から両チームの選手、スタッフ、そして応援スタンドから大きな声が飛び交う異様な空気に。そんな中、序盤から積極的に試合を動かしにかかったのが立命館宇治高校でした。
コイントスに勝利した立命館宇治高校はリターンを選択。そのキックオフの場面でチームを勢いづかせるビッグプレーが飛び出します。箕面自由学園K9山北爽一郎(3年)選手がキックオフしたボールを立命館宇治高校リターナー8番南田億(2年)選手が60ヤードほど走るビッグリターン! 立命館宇治高校がいきなり敵陣30YD付近からと絶好のフィールドポジションを手に入れます。
このチャンスを逃さない立命館宇治高校は、持ち前のランオフェンスを展開。RB39横川選手のラン、QB5庭山大空(2年)選手のランでFDを更新すると最後はRB39 横川豪士(3年)選手のランでタッチダウン! 立命館宇治高校がファーストドライブでゲームプラン通りのオフェンスを披露し、先制点を獲得します!
パワフルなランで先制タッチダウンを獲得したRB39横川選手! 39番横川選手はオフェンスディフェンスそして時にキッカーの役割も担うアスリートで、ここぞという時に頼りになる選手! この試合でもオフェンスでは1タッチダウン、ディフェンスでも1インターセプトと素晴らしい活躍を見せました!
さらに立命館宇治高校は積極的に仕掛けていきます。タッチダウンを獲得した興奮冷めやらぬ中のキックオフでなんと、オンサイドトライ! これは不正なキックとみなされ箕面自由学園にフィールド中央付近からのオフェンスが回るも、箕面自由学園のオフェンス中QB11糸川選手からのパスを立宇治LB52宗村尚輝(3年)選手がインターセプト! その後もギャンブルを成功させたりと序盤早々立命館宇治高校が積極的なプレー&コールでペースを握りに行きます。
しかし、決勝に至るまで圧倒的なオフェンス力で強敵を破ってきた箕面自由学園もすかさず反撃に出ます。第1Q、自陣20YD付近からのオフェンスでエースRB21元古耀介(3年)選手のナイスランで口火を切ると、QB11糸川幹人(3年)選手のキーププレー、RB10山口翔(2年)選手のビッグゲインなどランランランで立宇治オフェンスを翻弄。最後はQB11糸川幹人のキープでタッチダウン! 流れるようなオフェンスを見せた箕面自由学園が第1Qに7点を追加し同点に追いつきます!
タッチダウンランのシーンですが、このRB21元古選手とQB11糸川選手、どちらを守ればいいのか分からないというのが箕面自由学園のオフェンスの強みの一つ! 正直私は完全にフェイクにひっかかりました(笑)。このドライブでは特に箕面自由学園RB陣が本領を発揮! オプションなどのランプレーで立宇治ディフェンスを攻略した箕面自由学園がタッチダウンを獲得。すかさず同点に追いつき、試合はまた互角の展開に戻ります。
オフェンスディフェンス共に強力な布陣を擁する両チーム。一進一退が続く中で、追加点を獲得したのは立命館宇治高校でした。RB21平松的(3年)選手のナイスランなどで敵陣まで攻め込んだドライブや、箕面自由学園のパントが短くなり敵陣30YD付近からのドライブもタッチダウンには繋げられなかった立命館宇治高校ですが、1年生キッカーK7伊藤龍馬選手が2つのフィールドゴールを成功させ追加点獲得! 前半を終了し、立命館宇治高校が7-13と6点をリードします。
キッカーの7番伊藤選手はまだ1年生ながらこの日、42YDを含む3つのフィールドゴールを成功! 勝利に大きく貢献しました。ナイスゲインもあればロスタックルもあった前半戦、勝負の行方を分けた一つの要因がこのフィールドゴールでしょうか。箕面自由学園の強力なディフェンスを前にタッチダウンは阻止されたもののフィールドゴールを成功させ我慢強く得点を重ねた立命館宇治高校に対し、箕面自由学園は敵陣30YD付近まで前進するドライブもパントに、また前半終了間際のドライブも立宇治DB39横川選手のインターセプトに終わるなど、少しもったいない結果に。しかし前半を終了して7-13と点差はわずか6点とほぼ互角の内容で前半を折り返します!
前半をロースコアに抑えた両チームですが、後半に入っても両ディフェンスの素晴らしい働きは止まりません。箕面自由学園の4thダウン1のギャンブルプレーを立命館宇治高校がLB59北口凌雅(3年)選手、DB4藤井大輔(2年)選手のロスタックルで止めれば、QB5庭山選手のビッグゲインで敵陣ゴール前まで迫る立命館宇治高校のオフェンスを、箕面自由学園LB3海﨑琢(2年)選手、DL56浦野玄太(3年)選手がストップ! 立宇治の得点をフィールドゴールの3点に抑えるなど、後半に入っても両者一歩も譲らない攻防戦が繰り広げられました!
意地と意地がぶつかる関西決勝戦。熱のこもったプレーがいくつも飛び出し、印象に残るプレーが多過ぎて書ききれません! 写真は箕面自由学園DL59中村優太郎(3年)選手がロスタックルの後の喜んでいる場面! タックル時の写真は撮影できていませんでしたが、スタンドから見ていても本当に鋭いタックルで立宇治オフェンスを大きくロスさせたプレーでした!
そして第4Q、立命館宇治高校ディフェンスにビッグプレーが飛び出します。箕面自由学園自陣6YDからの攻撃中、立宇治DL51角本陸(2年)選手、LB59北口凌雅(3年)選手がQB11糸川選手をエンドゾーン内でタックルしセーフティー! 立命館宇治高校が2点を追加し7-18とリードを11点に広げます!
箕面自由学園QB11糸川幹人選手をエンドゾーン内で仕留める立宇治DL51角本選手、LB59北口選手! お互い膠着状態が続く中大きな大きな2点です。このセーフティーで2点を獲得した立命館宇治高校は試合残り7:39秒で7-18と11点をリード。ディフェンスでも得点をあげた立命館宇治高校が勝利へかなり近づいたように思われましたが・・・・・・。
しかし、ここから恐ろしいのが箕面自由学園でした。返すドライブをパントに抑えた後の自陣20YDからの攻撃で、箕面自由学園オフェンスに火が付きます。ファーストダウン、セカンドダウン、サードダウンと立宇治ディフェンスの前に前進を阻まれた箕面自由学園は追い込まれた4thダウン13! ギャンブルプレーでQB11糸川幹人選手からWR13鈴木崇与(2年)選手へのパス成功でファーストダウン更新! 絶体絶命の状況を得意のパスプレーで切り抜けます!
4thダウン13、追い込まれた危機的状況でQB11糸川選手からWR13鈴木崇与選手へのパス成功で箕面自由学園がファーストダウン更新! 箕面自由学園が意地のプレーで切り抜けます。
このプレーで波に乗った箕面自由学園はさらにWR15山下宗馬(3年)選手へのパス成功で敵陣30YD付近まで前進すると最後はWR80鈴木絢真(2年)選手へのパス成功でタッチダウン! 4thダウンでのパス成功の後なんとわずか2プレーでタッチダウンを獲得し、大阪1位の底力を見せつけます!
タックルを外しエンドゾーンへ向かうWR8080鈴木絢真選手! ここまでランプレーなどでゴリゴリ進んできた箕面自由学園ですが、QB11糸川幹人選手のキーププレーと共に恐ろしいのがこのパスプレー! WR80鈴木絢真選手のRACもありタッチダウンを獲得した箕面自由学園は2ポイントコンバージョンは立宇治DB4藤井選手に阻止されたものの6点を獲得し、試合残り3:50で13-18と点差を5点差へ。一気に逆転へと照準を合わせます。
残り4分弱あるということで、箕面自由学園はオンサイドではなく普通のキックオフへ。時間を消費したい立命館宇治高校と消費させたくない箕面自由学園のぶつかり合いの末、立命館宇治高校は箕面自由学園に3つのタイムアウトを消費させてパントに。箕面自由学園はタイムアウトは残っていないものの残り時間2:03、自陣19YDから攻撃権を獲得。逆転を狙ってのドライブが始まります!
試合残り2分。タイムアウトがない箕面自由学園は、スパイクで時計を止めながらのドライブとなりました。QB11糸川幹人選手のキープでFDを更新すると、WR80鈴木絢真選手へのパスやRB10 山口選手のランプレーで自陣43YDまで前進! 残り時間は1分13秒です。
司令塔としてここまで箕面自由学園を牽引してきたQB11糸川選手の気持ちの入ったキーププレー! さらにパス成功などでFDを更新した箕面自由学園がフィールド中央付近まで前進します。試合残り1:13。5点差の箕面自由学園はタッチダウンを獲得するしかありません!
そんな中、またもや箕面自由学園オフェンスに立ちはだかったのが立宇治ディフェンスでした。箕面自由学園QB11糸川幹人選手のロングパスを立命館宇治高校DB24西田健人(3年)選手が勝負を決するインターセプト!
ボケボケの映りですがお届けしたいこのプレー! DB24西田選手が体をぐいっと伸ばしての気迫のこもったジャンピングキャッチ! 凄い! 24番西田選手もオフェンスディフェンス共に出場している選手でこれまでも数々のビッグプレーを演出してくれていましたが、この大事な大事な試合に値千金のインターセプト! このビッグプレーで立命館宇治高校の勝利を確実にしました! 一方の箕面自由学園は残り時間を止める術がなく万事休すです。
この後、ニーダウンで時間を進めた立命館宇治高校。
立命館宇治高校が5年ぶり3度目のクリスマスボウル出場を決めました!
多くのお客さんが詰めかけた立命館宇治高校スタンドでは皆一斉にカウントダウン! 関西決勝の舞台を制した立命館宇治高校がクリスマスボウル出場決定です! おめでとうございます!
プライドとプライドがぶつかる決勝戦において一歩も引かないすばらしい攻防戦を見せてくれた両チームに両スタンドから大きな大きな拍手が送られました。本当に素晴らしい熱戦でした!
以上、お届けしましたように大阪1位対京都1位となった関西決勝は京都府1位の立命館宇治高校が箕面自由学園を破ってクリスマスボウル出場を果たしました! なんといっても立命館宇治高校のディフェンス陣が素晴らしかったですね。相手の良さを打ち消すようなアグレッシブなプレー。ロスタックルやこの試合3つのインターセプト、さらにはセーフティーなどでリードを守り切り、攻撃力のある箕面自由学園に大量点を与えませんでした。またオフェンスもタッチダウンは1つしかないもののQB5庭山選手のビッグゲインやRB陣の粘り強いランで得点圏まで攻め上がり、最後はK7伊藤選手がフィールドゴール成功させ着実に得点を追加。強敵箕面自由学園相手にしっかりとゲームをコントロールすることに成功しました。最後までミスが少ない素晴らしい試合運びでした!
また敗れた箕面自由学園ですがディフェンス陣はここまでの試合でも魅せてきたような素晴らしい働きで立宇治オフェンスにこちらも大量得点を与えず。またオフェンスに関しても第4Qの反撃は本当に迫力があり、自分たちのこれまでやってきたことを発揮すれば必ず逆転できる! という選手らの自信と気迫が感じられるようなドライブでした。QB11糸川幹人選手の強肩と才能溢れるレシーバー陣の活躍をもってすれば残り1分だろうが30秒だろうがいつでもタッチダウンが取れる力を持つ箕面自由学園だけに最後の逆転ドライブに期待がかかりましたが、最後は立宇治ディフェンスの固い守りに阻まれ逆転とはなりませんでした。
全国大会に入ってからの関西学院高等部戦、関大一高戦での見事なパフォーマンスや、横綱相撲と言ってもいいほどの戦いぶりで多くのアメフトファンを魅了した箕面自由学園。今後もこの強さが後輩たちに受け継がれ、ますます高校アメフト界を引っ張っていってくれることを期待しています! 3年生の皆さんお疲れさまでした。また大学で活躍している姿を見せてくれると嬉しいです。
そして勝利した立命館宇治高校は、いよいよクリスマスボウル出場です! 5年ぶり3度目ということですが、もしかすると関西開催のクリスマスボウルに出場するのは今年のチームが初めてなのかな? 京都府予選からずっと目標にしてきたクリスマスボウルに到達した立命館宇治高校がこの大舞台でどんなプレーを見せてくれるのか今から楽しみで仕方ありません。クリスマスボウル優勝という栄誉に向かって頑張って欲しいですね。
選手たちの気迫あふれるプレーを観に、関西地区の方は是非応援に集まっていただければと思います。
最も気になるその相手はというと、関東地区を勝ち進んだ佼成学園高校! クリスマスボウル常連校となってきた佼成学園はクリスマスボウル三連覇がかかった戦いです! ここ二年関西代表のチームを跳ね返してきた強敵に、立命館宇治高校が立ち向かいます。
クリスマスボウルはクリスマスイブの24日です!
12月24日 13:00~@ ヤンマーフィールド長居
『 Christmas Bowl 』
立命館宇治高等学校 vs 佼成学園高等学校
全国の高校生フットボーラーたちの誰もが憧れるクリスマスボウル! その頂点の舞台で素晴らしい戦いを見せる選手たちに熱い声援をお願いいたします!
(終わり)
この関西決勝戦の前後に中学のタッチフットの試合がありました。第一試合は見ていないのですが、第二試合と合わせて結果だけちょこっと。
結果はHPを参考にさせてもらいました。→関西中学アメリカンフットボール大会
(※中学に関しては画像や情報の取り扱いに慎重を期した方が良いかなと思い、撮影した画像等はアップしません。選手名も背番号のみで留めておこうかな・・・・・・)
第一試合
チーム名 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | OT | 合計 |
啓明学院中学 | 0 | 0 | 0 | 7 | 7 | 14 |
関西学院中学 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 7 |
※第一試合はタイブレークの末に啓明学院中学が勝利! ナイスゲームだったようです。
チーム名 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
立命館宇治中学 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
南山中学 | 0 | 0 | 12 | 0 | 12 |
※第二試合は南山中学が立命館宇治中学を破りました! この試合は観戦していたのですが、南山中学強いですね!
前半はお互いチャンスがありながらも無得点に。後半に入って南山中のファーストドライブでQB6→WR1→WR9へのスペシャルパス成功でFDを更新! ゴール前15YDへ前進すると最後はQB1番のランでTouchdown! キックは失敗するも南山中学が6点を先制します。
さらに南山中、自陣11YDからのドライブでRB11番のランが抜け90ヤード独走タッチダウン! 南山中が3Qに12点を獲得します。
その後反撃に出たい立宇治中は、南山中のオフェンスを何度もロスタッチに仕留め南山中を自陣ゴール前までロスさせます。パントを蹴らせリターンなどでチャンスを掴みたい立宇治中に対し、南山中は慎重にタイムアウトを使うとわざとパンターが蹴らずに逃げてセーフティー! これは時間が少なく得点に余裕があるときに相手に2点を与える戦略ですが、まさか中学の試合でこのようなレベルの高いプレーが見られるとは思わずしっかりした試合運びに本当に感心しました。
試合はオフェンスディフェンス共に隙の無いプレーを見せたで南山中が2-12で見事勝利! 次の長浜南中学との戦いへと駒を進めました。
立宇治中も、QBだけでなくいろんなポジションをこなす8番の奮闘、WR17番へのパスなど見どころもたくさんありましたが無念の敗退となりました。
なかなか中学の試合を見る機会は少ないのですがこの試合、多彩なフォーメーションからの攻撃、ハードカウントでオフサイドを誘うなどのテクニック、そして最後の南山中のインテンショナルセーフティなどまさにアメリカンフットボールの細かな戦術が満載で面白かったです! どちらのチームも選手らが戦術をよく理解してそれを実行しているなーときめ細やかな指導と選手ら自身のレベルの高さを感じました。
次の試合は12月2日に立命館守山グラウンドで行われるようですね。それに勝利した2チームが甲子園で戦います!
12月2日@立命館守山
11:00~ 長浜西中学×啓明学院中学
13:00~ 長浜南中学×南山中学
※勝利した2チームが甲子園球場で対戦です!
早朝9:10開始は辛いんですが12月16日の甲子園ボウルの前の試合は観戦に行けると思うので楽しみです。選手の皆さん頑張ってくださいね!
(終わり)